Episode No.6531(20190719)：[信条]Creed

歴史パワハラ
History is similar to nature

歴史を探究して、
史料や人にあたってみると…

思わぬ功績を知り、感嘆する…
一方、
思わぬダークサイドを知ることもある。

そんなこと
知らずにいれば気楽でだったのに
…と感じることも、しばしばだ。

しかし、偉人も「人」。
喜びや功績ばかりの人生など
…あり得ない。

光と影を知ることで、
その人の人間らしさを感じられ、
結果的には、より親しみが深くなる。

ところが「郷土ゆかりの偉人」を
観光の目玉に掲げるため…
強引に完全無欠のスーパーマンに仕立ててしまう
…そんな安易な傾向も間々見受けられる。

観光客に凄さを誇りたいのはわかるが…
安易な作り話は、言うなれば子供だまし。
観光客を馬鹿にしていることになるだろう。

表現の自由は大切…
だが、自由を行使するには、
他人を惑わすようなことや
無用な誤解を招いてはならないはずだ。

そうした集客優先の作り話は、
偉人の子孫たちにも
光だけでなく、影を落とす。

作られた偉人伝に辻褄を合わせるため、
親族や関係者が口止めされたり…

大切な思い出の土地を
観光のために踏みにじられたり…

歴史パワハラと言うべき圧力が、
史実をどんどん曲げていってしまう。

結果として、
子孫や関係者が、
先人をまるで厄介者のように
感じてしまうことがあれば
…実に不幸なことだ。

歴史は自然に似ている。

それに学び、
共存のために働けば、
大きな恵みを与えてくれる。

しかし、
むやみに壊して、
自分都合で扱おうとすれば
…大きな災いを引き起こす。

だから、人生日々更新。