Episode No.6414(20190305):[生活]Life
歴史を語る
What we can talk about is the past era
司馬遼太郎が講演で…
歴史…というものは、
元からあるようでいて実はないんです。
歴史というものは
書かれて初めて歴史になるんです。
…というようなことを話していた。
確かに書かれなければ何も残らない。
また、書かれたことによって
史実とは異なる事柄が
歴史になってしまうこともある。
むろん、解釈が異なる
…ということもあるだろう。
そこで考えてみると、
歴史を書く、あるには語るには、
より客観的でなければならない。
客観的であるためには、
その事柄だけを見るのではなく、
その事柄が起こった時、
別の場所ではどういうことが起きていたか
…についても知る必要がある。
つまり、
より正確に歴史を解釈しようと思ったら、
近目ではいけないのだ。
よく、
タイムマシンでその時代に行かない限り、
その時、何が起きたかはわからない
…という人がいる。
確かに、事件の真相や犯人を知るためには、
タイムマシンがあれば一番ハッキリするだろう。
しかし、
たとえ今目の前で起きていることでさえ、
それが正しいのが間違っているのかは、
今生きている自分たちにさえ、
わからないことだらけだ。
バブルの頃には、
それが一時のバブルだとは知らずに、
札びらを切っていた。
それがバブルだったと知るのは、
バブルがはじけた後である。
むしろ、その時代から年月を経て
初めてその時代の歴史は語ることが
できるようになるのではないだろうか。
間もなく「平成」という時代も歴史の一部になる。
そして、
青春を懐かしむのは…
青春を失った後なのだ。