Episode No.6248(20180823)：[生活]Life

常識の範囲内
Within common sense

常識を振りかざす者ほど、
常識がない…から厄介だ。

世間に理解されない自分の常識を、
本当の常識だと信じ込んでいるのは
極めて危険だ。

はたして世間とは何か…？
その明確な答えを出すことは
確かに難しい。

40km制限の道路を
40kmで走っている車は、
まず皆無だろう。

しかし、だからといって、
40km制限の道路を
自分の運転に過信して、
80kmで走っていれば、
捕まるのは目に見えている。

制限速度は規則であって、
常識ではない。

常識とは、
自分以外の人間に理解されない限り、
常識とは言い難い。

映画「マルサの女」に
こんなようなシーンがあった。

所得を隠して貸し倒れしたように見せかけるため、
ヤクザに金を貸したように装う脱税者。

ヤクザの元へ調査に入ったマルサが…
「2000万円の借金の証文を見せて下さい」
…というと、
ヤクザは「そんなものはない」と答える。
「あんた、友達に100円貸して証文とるんかい？」
「だって、2000万円ですよ」
「それは、おまえさんの常識。俺たちの常識は違う」

もちろん、最終的に
脱税は暴かれてしまうんだけど、ね。

子供と大人、男と女…の常識の違う。
だけど、
それぞれに理解を共有できる範囲はある。
そこがわかっているかどうか
…が
共存できるかどうか
…ということになってくる。