でじたけの「人生日々更新」戦争とグレムリン

Episode No.6241(20180815)[生活]Life

戦争とグレムリン
Gremlin and war

東北の震災を
地震爆弾によるものだった
…と言う人があるらしい。

その詳細までは知ろうとも思わない。

何故なら、戦時中にも
そんなビラが撒かれたという史実を
知っているからだ。

昭和19年(1944)12月7日、
紀伊半島東部の熊野灘、
三重県尾鷲市沖から浜名湖沖まで破壊する
M7.9のプレート境界型巨大地震が発生した。
死者は1,200名以上。

昭和東南海地震といわれるこの地震を知る人が
驚くほど少ないのには理由がある。

真珠湾攻撃からちょうど3周年を迎え、
苦戦の中、士気を高めなければならなかった軍部は、
国民や敵国に被害状況が漏れることを恐れ、
情報を隠蔽したからである。

それでも、地震を察知した敵国は…
自国の地震爆弾によるものだ
…とのビラを撒き、日本人を動揺させようとした。

確かに地中で原爆をつかうことによる
地震爆弾の研究はあったようにも伝えられるが、
結論から言えば心理作戦だっただろう。

理不尽とも思える天変地異を
何かのせいにしないと理解できない
…という心理が人間にはある。

かつて、川で子供が溺死してしまった時、
周囲の人たちが河童のせいにするのは、
母親が自分を責めないようにする慰めのためだ。

しかし、そうした
妖怪やグレムリンの存在が先に立ち、
それを操る敵国を挙げ連なってしまうのは
本末転倒というものだろう。

そういう思い込みが先行してしまうことが、
往々にして戦争の火種になってしまう。

相手を悪だと決めつけても
自分が正義であることの証にはならない。

だから、人生日々更新。

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