Episode No.6139(20180418)：[生活]Life

知ることで優しくなれる
Knowing leads to kindness

どんなものにもドラマがあるんだよね。
たとえ、鉛筆一本でもね。

自分の目の前に来るまでに、
いろんなことがあって、
ようやくここにたどり着たんだ。

それを知らないでいると、
粗雑に扱ったり、
平気で捨ててしまったりするけれど…。

そのモノが誕生した経緯や、
たずさわった人たちのことを知ると、
それが、
かけがいのないモノに見えてきて、
大切にしたくなる。

ひょっとしたら、
今手にしている何の変哲もない鉛筆が、
その工場で作られた100万本目の鉛筆で、
記念にとっておこうというのを
年老いた工場長が…
いや、鉛筆にとって一番幸せなのは、
誰かが手にして何かを書いてもらうことだ。
…なんて言って、
そっと生産ラインに戻し、
工場全員に見送られて来たものかもしれないし。

昔、NHKのドキュメンタリーで、
東京大空襲の時、
B29に乗っていた少年兵が
年老いて初めて銀座を歩いていた。

あの時、上空から人の姿は見えなかった。
見えていたら、
とても爆弾なんて落とせなかった。

知らないことが人を残酷にする。
そして教育は
知らせるためにあるのだと思う。