Episode No.6026(20171207)：[生活]Life

言葉なき対話
Eye contact

朝、珍しく家族で一番に起きて、
居間へ降りていくと
猫たちがまとわりついてくる。

朝飯をくれ、というのだ。

洗面所へ行けば、足下で。
トイレに行けば、トイレの前で。
ジッとこちらを見ている。

いよいよ、エサの容器に手をかけると、
やや安心したのか、一歩下がって待機。

猫の座る姿は、
両手をピタッとそろえ、
とても礼儀正しく見える。

日本人が猫好きな理由は、
こういうところにあるのではないか
…と思うが、
むろん海外の猫事情を知るわけではない。

さて、餌が目の前にくると
猛然と顔を突っ込む。

イッキに食べ終わると、
ひとつ大きく伸びをして、
朝の散歩に出かけて行く。

この間、
確かなコミュニケーションは何度もあるが、
当然、言葉によるやりとりはない。

時折、こっちが勝手に
待て、と言っているだけで、
その意味を解することはないが、
目だけ見て頭を下げたりする。

目は口ほどに物を言う…という言葉通り、
言葉が通じなくても
アイコンタクトだけで
結構やっている場面は多い。

むしろ、言葉に頼って
相手の目を読むことができないと、
真意をつかむことはできない。

まして、メールだけで
相手に何か伝えたつもりでいても
猫以上に伝わっていなかったりする。