でじたけの「人生日々更新」TETSU学入門

Episode No.5825(20170417)[趣味]Hobby

TETSU学入門
Art or craft

元来、模型好きなのは
男子だから…に違いない。

ひと言でいって、
男は自分の世界
…を作るのが好きなのだ。

フィギュア造形師TETSUさんの
作品展に行って来た。

TETSUさんとは
同じ横浜に住んでいることから
親しくさせてもらう機会を得たが、
もともとTETSUさんを知ったのは
伊豆下田、お吉が眠る宝福寺だった。

そこで、TETSUさんが手がけた
唐人お吉の浮世ふぃぎゅあに魅せられてしまった。

お吉がポツンと立っているのではない。
背後には大きな駕籠。
見上げる猫がいて、
何とも言えぬ表情を見せるお吉がいる。

もちろん物語の中での話であることを
TETSUさんは百も承知。

ハリスのところに行くのに、
芸者の格好してくはずはないからねぇ。
…と、
ビール片手に笑っていた。

しかし、そこには確実に
物語「唐人お吉」の世界が表現されている。

今回の作品展に出品されていた作品の数々は、
どれも刺激的なものばかりだった。

これまで硝子越しの
お吉しか見たことのなかった自分にとって、
そのあわらな女性のポーズ以上に、
その細密さが衝撃だった。

なんと、まつ毛までしっかり生えている。

硬いはずのレジンでできた皮膚が
ふくよかで血の通った女性の肌に見える。

これはもう完全に芸術といっていい。

TETSUさんの作品を観ていて、
アートとクラフトの違いについて、
ようやく解釈できた気がする。

クラフト作品の場合、
どんなに美しくて座りやすい椅子も、
素材が木なら、
木を加工したものにしか見えないが…。

アート作品の場合、
真っ平らな紙に書かれた絵も
奥行きと空気感を感じることができる。
素材の存在など、
まるで意識が行かなくなってしまうのだ。

文学作品にしてみても、
そこにあるのは
紙に印刷された文字だけのはずなのに、
読み込んでいくうちに、
その作家が思い描いた世界に入ってしまう。

芝居を観ても、
そこが舞台であることを
忘れさせてくれるような芝居が
本当にいい芝居といえるだろう。

素材に負けているうちは、
とても芸術の域には
…達していということだろうな。

だから、人生日々更新。

会期は、2017年4月23日(日)まで。*4/19(水)=休館

【丘の上の秘宝の間〜アートでできた秘宝館〜】
◆北原照久◆森口裕二◆ツバキアンナ◆TETSU
◆会場 - MERRY ART GALLERY 本館
〒231-0863 神奈川県横浜市中区諏訪町16-1F

http://merry-art.jp/access/

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