意思…
しようとする考え。

つまずくのは、いつもここだ。

しようとする考え通りに
自分を動かすことができたら、
たいてい誰でも
偉人と呼ばれるようになれるだろう。

気づいたことを発言し、
発言したことに対して動く。

動くのが億劫になると、
気づかないふりをしてしまう。

満員電車に腰掛けている時、
途中から老人が乗って来るのを見て、
あわてて寝たふりをしてしまうように。

その一瞬の葛藤に気づいた時、
すぐに立ち上がれる自分を作りたい。

この間はタイミングよく、
老婆に席を譲ることができた。

身形のキチンとした老婆は
少し戸惑いながら、
それでも自分の好意を受けてくれた。

やがて老婆は
抱え込んだ大きな鞄をまさぐると、
大きな蜜柑をひとつ差し出してくれた。

降りる駅が近づいてドアに向かうと、
老婆は再度、丁寧にお礼を言ってくれた。

いえいえ…と言って降りたが、
ああ、こちらも蜜柑のお礼を
再度言えばよかったと少し後悔した。

蜜柑をもらった時点で、
もうこれは
与える側と与えられた側の関係ではなく、
平等な関係になっていたのだから…
せめて、
こちらこそ
…というのが、
身形のいい老婆のプライドを保つのに
役立ったのではないか…と少し反省した。

だから、人生日々更新。