でじたけの「人生日々更新」身形

Episode No.5705(20161128)[生活]Life

身形
Consideration about the body

みなり…というのは
身成…と書くものだとばかり思い込んでいたが、
なるほど…
衣服をつけた姿。また、その服装。
…を差す言葉だから、
馬子にも衣装とは言うが、
形だけで身が成るものでもないようだ。

最近、カミさんが長男の身形が悪いと嘆いている。
どだい若者が格好をつけようとするのは
異性にモテたい一心であるが、
いい彼女が見つかったとたん、でもないが、
そもそも長男は格好を気にしなさ過ぎではある。

かく言う自分も若い頃は…
姿形で人を判断すること自体、間違いである
…などと、
自分のいいかげんさを棚に上げて論破したものだ。

それが変わってきたのはやはり
社会に出て働き始めてからのこと。

広告関係の仕事だったので、
クリエイターを名のる人々には
ジーパン姿の先輩も数多くいたが、
今話題のD通の営業マンなどは
ダブルのスーツをこれ見よがしに着ていた。

務めてしたのは
下請けの下請けのようなところだったので、
本来はクリエイターもヘチマもない。
小さな会社の社員は
誰もがクリエイターである代わりに、
誰もが営業マンでなければならない。

或る先輩は、
おそらく営業という仕事が嫌で
この世界に入ってきたと思えるが、
入社したのが小さな会社だったから、
営業もこなさなければならない。

営業としてのウエイトが高い仕事にあっては、
それなりの格好をしていかなければ、
まず社会的な信用を得られない。

いいも悪いもなく、
それが社会の風習であり常識なのだ。

最後までそれに抵抗したその先輩は、
とりあえずジーパンの上にジャケット姿となった。

服装にこだわるのはおかしい。
つまらないことだ。
…と、その先輩は最後まで言っていたが、
その経緯を端から見ていた自分には、
そのつまらないことに
一番こだわっているのは、
その先輩自身のように思われた。

こだわらないなら言われた通りにすればいい。
…それが自分の答えであった。

個性は服装で見せるものではない。
むしろその場で奇抜と思え服装をしていなければ
発揮できない個性など、
何の役にも立たない個性だだろう。

以来、自分は相手に会わせて七変化。
スーツも着れば、
必要に応じて作業衣も着た。

やがて名前が覚えられるようになると、
ある得意先から言われた。

「今日は珍しくネクタイをしてるね」

その時、締めていたネクタイが
少し目立つものだったんだろう。

「いや、いつもしてますよ」

実際、その得意先に行くときには、
いつもネクタイを締めていた。

「そう?気がつかなかった」

顔を覚えてもらえれば、それでいいんだけどね。

だから、人生日々更新。

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