でじたけの「人生日々更新」事情

Episode No.5673(20161021)[挑戦]Challenge

事情
Circumstances

物語がどんなカタチで世に出るかは、
その作品の善し悪しはもちろんあるが、
作品のできた時代背景にも左右される。

鬱屈した時代には痛快なヒーローが求められ、
豊かな時代には逆に
暗い影を持つ主人公に惹かれる場合が多い。

歴史物語の場合には、そこにプラスして、
描かれた事件の関係者や
描かれる人物の子孫が今どうしているか
…ということが作品に大きく影響する。

つまり…遠慮だ。

したがって、
これまでの歴史物語の主人公は
血縁が耐えて子孫のいない者が大半。

あるいはモデルがいても
仮名で描かれている場合が多い。

さて、自分が今書いている歴史小説の場合、
幸いにも描こうとしている人物の
御子孫ともお会いすることができた。

御子孫とは言っても遠い過去のことで、
御子孫すらその人物の正確なところはわからない。
むしろ早く書いて読ませてほしい
…と言われたほどだ。

子孫すらわからない人物を
赤の他人の自分が描く…というのも、
何だか無責任な感じがしなくもないが、
そこは客観的な事実と、
自分が捕らえることのできたキャラクターとで、
どうにか描くことはできそうだ。

何より調べれば調べるほど共感を得るのは、
どこか自分と共通したところがあるからだろう。

無論、その人物の墓参りにも定期的に行っている。

最初に行かせてもらった時、
墓前に手を合わせて念じた。

ゆっくりお休みのところ申し訳ありませんが、
貴方をもう一度、この墓から引っ張り出させてください。

今のところ呪われている兆候はないので
…大丈夫だろう、たぶん。

だから、人生日々更新。

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