心の物理学04〜理性より食
Physics of the heart

よほどのことがない限り、
人の能力の多くは、
元からあるはずの、その能力を
うまくコントロールして
出すべき時に出せるかどうかにかかっている。

今でしょ…という言葉が
数多くの人たちの琴線にふれたのは、
そこができていない自分への
反省が常にあるからに違いない。

何が信じられないと言って、
自分ほど信用ならないものはない。

何せ、腹が減っている時と満腹の時とでは、
まるで気分が違うのだから。

昨日、三島由紀夫の話をまた持ち出したけれど、
あの事件…
昭和45年11月25日、
陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地における
三島由紀夫割腹自決事件において…、
ノーベル文学賞候補にまで上り詰めた文豪の
最期の演説が、
若き自衛隊員のヤジにかき消されてしまったのは、
演説の時間帯が悪かった…という節もある。

ちょうど昼飯にかかる時間、
激しい訓練の後、楽しみにしていた食事を
事件によって取り上げられた隊員たちが
本当に言いたかったことは、
何でもいいから、
早くメシを食わせろよ…ということだったろう。