街作りを人任せにしない国
Germany Journey 06
仕事で一週間ほどドイツに行って来た。
今週はドイツの土産話にからめて、
そこで考えたことを話してみようと思う。
さて、ドイツについての話の最終日は、
ドイツのデザインについて話したいと思う。
ドイツの街並みが美しいのは、
それを規制する法律があるためで、
いわば国中、京都みたいなものだ。
古い建物は簡単に壊すことはできないし、
新しく建てるにも制限は多い。
雪が降るので、
三角屋根の家が多いのは日本と同じだが、
三角屋根の3階建て、4階建てで、
煙突が突き出ている家が一般的。
大きさもカタチも似た家が多いから、
まるで鉄道模型のジオラマに見える。
こういう家や街の造りを
おとぎの国のようだと感じるのは、
アンデルセンやグリム兄弟…
あるいはディズニーランドの影響だろうけど、
本家本元は、この古い街並みの方であって、
ここに住む人たちにとっては、
これが日常の風景なのだ。
ドイツに住んだ経験のある従兄弟によると、
最初に住んだアパートに、
ある日、隣のおばちゃんがやって来て、
突然、文句を言われたという。
その苦情の内容は、こんな感じ…。
「あんた、何故、窓に花を飾らないんだい?
あんたのおかげで、
私たちの街の景色が台無しだよ」
かようにドイツ人は、
自分たちで自分たちの住む場所を造る
…という強い意志を持っている。
何処に行っても
整然とした街並みを作り出している所以だ。
反して我々日本人は、
今更ながら…
成り行き任せ
…が多すぎるのではないかと反省する。
自然のまま…でいたら、
人は行き場を失うということになるだろう。
ドイツにはドイツの、
日本には日本の良さがある
…のは当然ではあるが、
学ぶ気持ちを忘れていては成長はない。
国も、国を作っている人もね。
誇りを持たぬ者に故郷も自我もない。
だから…人生、日々更新。