哲学的な物乞いのいる国
Germany Journey 05

仕事で一週間ほどドイツに行って来た。
今週はドイツの土産話にからめて、
そこで考えたことを話してみようと思う。

ドイツには、まだまだ喫煙者が多い。
…という昨日の話に加え、
モラリストで、
合理性を重んじ、
賢そうな顔つきの人が大勢いる
ドイツであるにもかかわらず、
…いまだ街角に物乞いが結構いる。

日本でもかつてはよく見かけた。
しかし、今の日本においては、
街角で小銭を集めるのは
ストリート・ミュージシャンだけだ。

ドイツに物乞いがいるのは、
あまりにも社会の仕組みが
しっかりとし過ぎていて、
それについて行けない人が
どうしても出てきてしまう…から、
とも考えられなくはない。

ただ、ドイツの物乞いは
一見して食うのに困って
物乞いをしているようには見えない。

何か確信的に、
目の前の文明社会を
偽りだと否定する哲学をもって、
あえて、それに乗っていない
…ような気がしなくもないのだ。

何せ、乞食でも
頭が良さそうに見えるから。
スピルバーグそっくりな乞食もいたしね。

あれは、ひょっとすると
本物のスピルバーグが、
新作のリアリティを出すために、
あえて乞食目線で
EUを眺めていたのかもしれないな。