距離感についての考察を続けてみる。

我々は往々にして、
何かを理解しようとする時、
その対象に近づいていく。

また、
遠くの親類より、近くの他人よろしく、
身近にいる方が、
より理解し合えるはずだ、と考える。

ところが、我々の祖先は、
それ故、地球が丸いことを知らなかった。

日の丸を近くで見る余り、
赤い布だと思い込む共産党員がいたら、
誰でも滑稽に思うだろう。

けれど、そういうことを
我々も結構してると思わないか？

距離なくして客観性はなく、
客観性なくして賢明さはない。

だから、現実から逃避したい時に限って、
何かに視線を近づけて集中しようとするし…
ふたりの世界に入り込む、恋は盲目なのだ。

先週末…
中学一年の次男の
サッカーの試合があるというので
珍しく行ってみた。花粉症を圧してね。

ウチにいれば一番のチビだが、
遠くから、ボールを果敢に追っている姿を見ると、
離れているにもかかわらず、急に大きく見えてきた。

あるいは時間も距離ではないか？
…という人がいた。

その通りだと思った。

遠い昔を懐かしみながら…
今という時間の貴重さを、
いつでも過ぎてしまってから感じてる。

古き良き時代は、
常に古き時代であって、
今の時代を良いものにしなければ、
幸せになどなれないのに、ね。

だから…人生、日々更新。