昔、近所の友達が、
両手の指先を赤チンで真っ赤に染めていた。

その子のうちの母親は、
結構、年配で…
年がいってからできた息子を溺愛していた。

そして、息子の爪を切ってやると、
バイ菌が入らないようにと、
指先に赤チンを塗りたくっていたんだ。

赤鼻のトナカイのように、
赤い指をしたその子は仲間内の笑いものになってしまった。

さて…

たいした怪我でもないのに
軟膏を塗りたり、
ベタベタと絆創膏を貼付けていたら、
…かえって治りが遅くなってしまうよね。

ヘタをすると、
傷口が膿んでしまうことだってある。

空気にさらしていた方がいい。

…心の傷も同じじゃないか？

外傷と違って、
傷の深さは見えないけどさ。

癒しを求めてばかりいるから、
ちょっとした傷も
治すことができないでいるんじゃないか。

癒されるとは、
情けない自分を認めてくれることだと
勘違いしてる。

話を聞いてくれただけで、
理解してくれたなんて思うなよ。
…騙されちゃうぞ。

たとえ名医にかかったとしても、
最終的に…
心の傷も身体の傷も
治せるのは自分だけじゃないか。

骨も一度折れた部分は、
くっつくと太くなると言うぞ。

そして…
動かさないでいると動けなくなっちゃう。

だから…人生、日々更新。