不器用な奴に限って、コツを知りたがるんだよ。

自分が器用でないことは知っているけれど、
何故、自分が器用でないのか
…その理由を勘違いしているんだ。

本人は…
コツがわからないからうまくいかない
…と考えている。だからコツを知りたがる。

けれど、それは裏返せば、
コツさえつかめば自分にもできるはずで、
自分は決して不器用ではないのだ
…と思おうとしているに過ぎない。そうだろう？

不器用なだけなら救いもあるが、
現実を認めたがらない意気地なしになってしまうと、
負のスパイラルに陥っちゃう。

ありもしないコツを探すことにばかり時間を費やす。

そんな時間があるのなら、
一見無駄に思えることでも
地味に淡々とやっていく方が、
確実にゴールへ近づいていけるはずなのに、ね。

時間がなくなると、さらにあせってコツを探す。
…結果、できない。

カッと目を見開いて進んでいかなければならない道を、
ギュッと目を閉じて進もうとしているんだから
…うまく進めないのは当然だ。

不器用な奴が一番苦手としているのは、
何より自分を客観的に見るということだろうと思う。

コツ…って、楽にできる方法のこと？
そんなのないんだよ。現実には、ね。

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