Episode No.3908(20110303)
ぶ夢の結末
The dream that continues flying in the sky.
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地表すれすれのところを飛んでいた
地面をなでるように流れる風にのって。

この風にのっている限り、
決して落ちることはないと高を括っていた。

地表が平坦であれば平坦な上を、
隆起していれば隆起しているなりに、
この風は地表と一定の間隔を保ちながら
穏やかに流れていた。

或る日、
経験したことのない巨大な風
地表を大きく持ち上げた。

一定に保たれていると信じていた世界の
バランスが大きく崩れた

ゆるやかな平らだった地表が壁となって
飛んでいるものをも飲み込んだ。

それまで地表だと思っていた、
なだらかな平面は地面ではなく海だった。

風に流されるのではなく、
自力でもっと高い場所を飛んでいたら
そこが海であることは、わかったはずだった。

それを、波にのまれて初めて知った。

そのまま海の底深く沈んでしまえば、それまでだった。
が、かろうじて浮いている。

本当の陸を目指して自力で泳ぎ出さねばならない。

必死に手足をバタつかせていれば
少しずつでも何処かには近づくだろうし、
ひょつとしたら誰かが気づいて
すくい上げてくれるかも知れない。

潮の流れに身を任せて浮いているだけでは、
ゴミだと思われてしまうだろ?

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