生き物を飼っていると、
たいていの場合、
その死に目に会わなければならない。
うちの小さな裏庭にも
何匹のメダカや金魚、
カブトムシが眠っていることか。
月曜日の朝…
尾腐れ病にかかって瀕死の状態だった金魚が逝った。
小動物の死にも、
すっかり慣れてしまった感はあったけど、
こいつはとくに印象深い。
何せ尾が腐る前から、
三半規管がおかしかったらしく、
まともに泳ぐことができなかったから…。
もう、何度ダメかと思って
水槽を別にしたりしていたけれど、
その都度持ち直して、どうにか呼吸を続けていた。
時折、仲間の金魚が寄ってきては
体勢を立て直しすのを手伝っているようにも見えて、
金魚が金魚を介護してると、
家族でよく水槽を覗き込んだものだ。
いよいよ体の四分の一ぐらいを失っても、
まだ水草にもたれかかって必至で息をしていた。
そして朝になると…
浮くでもなく、沈むでもなく、
元気な頃のように
水槽と水草の間に体をピッと伸ばしたまま息絶えていた。
なかなか見上げた根性の持ち主だった。
どんなに小さな生き物であっても
必至に生きようとする姿は
見ている者に勇気を与えてくれる。
何かを他人に分け与えてしまうと、
つい自分の持ち分が減って
損をするような気になってしまうことも多いけれど…
勇気や愛は、いくら与えても
決して目減りすることなく、
むしろ与えれば与えるほど増えていくもんじゃないか?!
…何か牧師が言うような話だけど、そう感じるよ。
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