軍人であり、政治家であり、
かつ文学者…
ウィンストン・チャーチルほどのインテリは、
そうそういないと思うのだが
…チャーチル自身はインテリを嫌っていた。
故に数々の毒説が伝説となっている。
あらためて見ると、チャーチルの人生は
挫折の連続だったかもしれない。
学生時代は劣等生で、
軍人となってからもふるわなかったが、
運良く生き残ってこられた。
政治家になってからも
常に批判の対象となった。
最もこれは
批判されるだけの行動をしたからに他ならない。
最終的に彼を認めたのは文学の世界で、
ノーベル文学賞を受けるに至った。
成功者=インテリと考えてしまうのは、
一種のコンプレックスのあらわれかも知れない。
挫折を知らない人=失敗のない人は、
リングに上がったことのない
無敗のボクサーのようなもので…
失敗するほどの行動を起こしたことのない
臆病者であることが多い。
しょせん誰しも臆病さに大差はないが、
臆病故にどうするか…
その時の行動により人格形成は大きく異なってくる。
臆病さを隠すために理屈を並べているのが
…チャーチルの嫌う、いわゆるインテリなのだ。
曰く…
「ブレーキはスピードの出しすぎによる事故は防ぐが、
スピードが遅すぎることによる事故を
防ぐようには作られていない」
ろくに走りもしないのに、
ブレーキばかりかけていては前に進むはずもない。
参考文献「チャーチルの強運に学ぶ―断じて絶望するなかれ」PHP=刊