Episode No.3704(20100709)
挫折の次に見えてくる人生

軍人であり、政治家であり、
かつ文学者…
ウィンストン・チャーチルほどのインテリは、
そうそういないと思うのだが
…チャーチル自身はインテリを嫌っていた。

故に数々の毒説が伝説となっている。

あらためて見ると、チャーチルの人生は
挫折の連続だったかもしれない。

学生時代は劣等生で、
軍人となってからもふるわなかったが、
運良く生き残ってこられた。

政治家になってからも
常に批判の対象となった。
最もこれは
批判されるだけの行動をしたからに他ならない。

最終的に彼を認めたのは文学の世界で、
ノーベル文学賞を受けるに至った。

成功者=インテリと考えてしまうのは、
一種のコンプレックスのあらわれかも知れない。

挫折を知らない人=失敗のない人は、
リングに上がったことのない
無敗のボクサーのようなもので…
失敗するほどの行動を起こしたことのない
臆病者であることが多い。

しょせん誰しも臆病さに大差はないが、
臆病故にどうするか
その時の行動により人格形成は大きく異なってくる。

臆病さを隠すために理屈を並べているのが
…チャーチルの嫌う、いわゆるインテリなのだ。

曰く…
「ブレーキはスピードの出しすぎによる事故は防ぐが、
 スピードが遅すぎることによる事故を
 防ぐようには作られていない」

ろくに走りもしないのに、
ブレーキばかりかけていては前に進むはずもない。

参考文献「チャーチルの強運に学ぶ―断じて絶望するなかれ」PHP=刊


| 人生日々更新 | 最近のBacknumber | 架空対談 | 教育論 |