戦時中・・・
敵と戦っていた兵士は
誰もが自国の正義を信じて疑わなかった。
それを疑っていては、とても敵は倒せない。
しかし・・・
そう考えているのは敵国の兵士も同じ。
つまり・・・正義ほど不確実なものはない。
そんな戦時中の体験を元に、
正義とは何かを考え続けた男がいた。
彼が出した結論は・・・
本当の正義とは自分を犠牲にして人を救うこと。
本当の正義の味方は、
決して見た目にはカッコよくはなく、傷だらけ。
自分が傷つくことを覚悟しなければ、
本当の正義は実践できない。
そんな思想を元に彼が描いたヒーロー。
その名は・・・アンパンマン。
飢えてる人に食べられてしまうヒーローは、
当初、大人たちには受け入れられなかった。
アンパンマンを最初に受け入れたのは
・・・理屈もわからぬ幼児たち。
理屈がわからないが故に、
本質だけ素直に理解した、とも言える。
予備知識が何もない
幼児たちの人気を獲得するのは大変だ。
いかに権威のある作家が書いた作品だろうと、
つまらなければ絶対に読んでくれない。
毎年生まれてくる作家泣かせの残酷な読者に向けて
ウケる作品を提供し続けるのは
緊張の連続だという原作者やなさたかしさんは
・・・来年(2009年)2月に90歳を迎える。