THE THEATER OF DIGITAKE


初めての不倫旅行  ●ご愛読者の声 2000.4.2up


おかげさまで、先週3月26日をもちまして初挑戦の長編ドラマ・シリーズ「初めての不倫旅行」が無事完結。

とりあえず・・・一応、最後までお見せできる状態になってヨカッタ。

実はBBSでも何度かふれているように、第二章のPDF版につけようと思っている「番外編」というモノがあって・・・まだ執筆途中。

内容は主人公の宮田とその妻が、いかにして出逢って、いかにして結婚したか・・・というお話。だから時代は、ちょっとさかのぼって田中内閣発足の頃・・・昭和で言うと40年代の終わり頃が舞台。

タテ書きバージョンのPDFファイルの作成だけでもホネが折れると言うのに、そんなコトまでやってるモノだから・・・なかなか完成できない。

さて、今週は何を載せよう・・・と悩んでいたところへ、完結にあたってご愛読者の方から、ご丁寧なご感想をいただけたので、その一部をご紹介するコトに・・・助かった(^_^;

必死コイて書いてる時には「本当に読んでくれている人がいるのだろうか」なんて何度も思ったけれど・・・本当に、しかも世界中にいらっしゃったのには感激!!


●この物語の登場人物の中で一番感情移入ができたのは誰ですか?

倒産後の木下昭夫

と、お答えいただいたのは北京に留学中の学生さん(男性)。

考えてみれば、このシリーズで一番人生が変わってしまったのは、主人公の親友、木下(イメージキャスト:にしきのあきら)。

木下の倒産の話も宮田(イメージキャスト:長塚京三)の左遷の話も最初のうちはニュースを見ながら想像で書いている部分がほとんどだったんだけど・・・。
そのうち私の身近な人の中にも、まったく同じような目に遭う人が出てきて・・・とても笑えなくなってしまった。

●この物語で一番印象に残ったエピソードは何ですか?

23話「男の決断」から26話「野心の行方」
特に木下の「宮のバカヤロウ」と言うせりふ
「もう一度不倫旅行」で風呂場で湯だってしまった宮田
最終話、宮田裕美子と三村しよりの会話

これも同じ北京在住の学生さんからのご感想。ほかにもロンドンに在住されている学生さん(女性)からは

お風呂で気絶してしまとったときかな。おかしいやら、気の毒やら情けないやら、とにかく”あぁーあ”ちょっと残念と”ふぅー”ちょっと安心の両方の気持ちでした。

というご感想もいただいた。

作者としては、前半より後半の方が印象に残った・・・というのが、まず嬉しい。
後ろに行くにしたがって、つまらなくなっちゃうんじゃあ、長く続けた意味がないもの、ね。

木下の話について言えば、やっぱり目先の悩みにつまづいた時には原点に立ち返って・・・という思いから考えてみたつもり。
何も目先のコトだけが人生のすべてじゃないはず・・・でしょ?!

「もう一度不倫旅行」は、後半の山場として考えてみたもの。
もともと、こんなに長く続けるつもりじゃなかったんで、途中「不倫」と全然関係ない話になってきちゃって・・・これはマズイと思って。

最終回の宮田の妻(イメージキャスト:田中裕子)と三村(イメージキャスト:石田ゆり子)の会話については、このシリーズを春くらいまで続けてもようと思った去年の10月の半ばくらいには、すでに書いてあったものをアレンジして使用。

とにかく1度だけ2人を会わせてみようと思って・・・。

この2人の場合には、木下の愛人発覚事件の時のようにつかみ合いのケンカにはならないだろうけど・・・じゃあ、どうなるかをいろいろ試行錯誤した結果、こんな感じに。

●そのほか、ご意見、ご感想などがございましたら、ご自由にお書きください。

最終話のまとめ方はある程度予想されましたが、読後感はよかったと思います。
長塚京三と田中祐子は好きな俳優でしたので、イメージしやすかったと思います。
ところで、この二人、数年前のサントリーウイスキーのCMに出ていたはずですが、狙ってのことなのでしょうか。
次回の企画にも期待します。<北京在住・♂学生>

一部「お約束」というような描写がなかった訳でもありませんが、逆に最近こういうホームコメディ(と認識しております)の方が新鮮な印象を受けます。テレビドラマ化するとすればTBSの日曜劇場向けのような気がしました。<国内在住・♂学生>

毎回楽しみに読んでいました。日本に住んでいない私にとって、日本のドラマを見たりできない分?よけい連ドラを楽しみに待つよう気分で、うれしかったです。海外生活が長いので、日本ではやった失楽園などを見る機会がなかったので、インターネットでみつけて、”おっ!これは!!”と思って読み始めました。
でもやっぱり、本当に浮気してたら、読むの止めてしまったような気もします。しそうでしない、そんな状況になっても、心のどこかででも大丈夫、彼はそんなことするひとじゃぁない!!と、安心しきっている自分。<ロンドン在住・♀学生>

私としては、とにかく寅さんみたいな話を書いてみたかった。
それを意識してイントロを夢ではじめていた時期もあったくらいで・・・。

寅さんはどこがスゴイかと言えば、何と言っても完全な悪者がひとりも出てこない・・・という点。

おのおのの立場や理想の違いや、ちょっとしたズレで人間関係がギクシャクしたり、騒動に発展したり・・・でも最後は安心して見ていられるような感じ。

書き進めて行くと、やっぱり悪者がいないドラマというのは、ものすごく大変なんだというコトに気がついた。
誰かのせいにしてしまえば、そんなに楽なコトはない。

でも、そこまでメチャクチャ悪いヤツなんて・・・そうそういるモンじゃない。
かと言って、あんまりリアリティを追求し過ぎるとドロドロしたモノになりかねないし・・・。
そこを笑い飛ばすように仕向けるのに苦労した。

もともと、このシリーズの前を書いていた時にも悪者が出てこないコトにこだわりはじめてはいた。
しかも、その騒動はすごく日常的なコトで・・・だけとハタから見るとおかしいような出来事。

実際、サンペンスなんかは現実がフィクションを超えちゃってるし・・・。
やっぱり、そういう時代だからこそ・・・寅さんじゃないかと。


ところで今さらながら「初めての不倫旅行」の第1話を考えたきっかけは・・・。

駅のホームで電車を待っていたら、間の前にものすごくブ厚い眼鏡をかけたおじいさんがいて「この人、もし眼鏡が線路に落ちちゃったら困るだろうな」と思ったのが最初。

電車に乗ってから「近眼の人が眼鏡を落としたら最悪な状況は何か」を考え続けていて「不倫旅行」というモノに行き着いた。

もちろん私自身は不倫旅行の経験なんてないから(ホント!)、今の自分の年齢よりは7〜8歳年上の中年男の行動をいろいろと想像して書いた。

家族は愛しているけれど、仕事の先も少し見えてきてしまって・・・しかもスケベな中年男には、いろいろと滑稽さが見える。
ひょっとすると、そんな滑稽さを客観的に見るコトができるのも、今の私の年代が最後かも知れない。
自分がその歳になったら気づかなくなってしまうかも知れないから。

で、そういう主人公を作ってみた。

書いていくうちに知り合いの人や、もちろん自分のコトもいろいろ投影されてきてしまって・・・。
物語の本筋とは直接関係のない余分な描写も少なからずあったとは思うけど。

まぁ、今回は書けるだけ書いてみよう・・・というのが正直なところ。

ご感想を寄せてくださった皆さま、本当にありがとうございました。

また機会があれば、ほかの方のご感想もご紹介しますので、よろしかったら・・・お願いします!

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