THE THEATER OF DIGITAKE |
■宮田浩一郎の初夢 ベッコウ眼鏡の奥にある両目を思わず細めて見る。 輪郭はうねっていてハッキリとはしないが・・・間違いなく日の出だ。 おお! ついに来たか西暦2000年!! まぁ、たまたまその時代に生きているだけのことだけど・・・。 それでも何となく感動的だ。 とりあえず、この時に生きていることを喜ぼうじゃないか。 間もなく新しい1000年を祝う太陽は、その全身を我々に見せてくれる。 見せてくれる・・・見せて・・・アレ?! 何だ? あの陰りは? 皆既日食?! まさか? 太陽に重なる丸い陰の正体は・・・バレーボールじゃないか?! おっと! 打ち返さなくては!! ここは・・・会社の屋上・・・。しかも昔の社屋の。 そういえば入社したての頃は、昼休みに屋上でバレーボールをするのが流行ってたっけ・・・。 見渡せば、今は大阪に転勤になったあいつも・・・入社3年で辞めていったはずのあいつも・・・。 みんな輪になってボールを追っている。 あそこにいるのは・・・三村クン? ハテ? この頃、彼女はまだ入社していない・・・どころかヘタをすると生まれてもいないはずだが・・・。 まぁ、いい。 ハツラツとしてバレーボールに興じる若い女子社員は、いつ見ても気持ちがいい。 あいつは誰だ? ひとりだけエプロンなんかして・・・まさか?! 「あなた! 行くわよ!! アターック!!」 バシッ!!「イテ!」・・・やっぱり、うちのカミさん・・・か。 |
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