でじたけ流 教育論「できすぎた偶然」
 

でじたけ流“教育論”
第999回「できすぎた偶然」


先日、義母が亡くなった。
92歳の大往生だった。

病院から無言のまま
自宅へ戻った義母は、
まるで眠っているように
穏やかな表情だった。

孫たちに囲まれながら、
葬儀場への車を待つ間のこと。

リビングの窓から見える
広い庭先に
2匹のアゲハ蝶が舞っているのが見えた。

昆虫の数え方は
匹ではなく、頭が正式らしいが、
眠る義母ごしに見た、その蝶は、
二人に感じられた。

一人は、もちろん義母。
もう一人は…
8年前に先立った義父…か、
ひょっとすると
義母が小学2年の頃、
海難事故で亡くなったという
実の母…だったかもしれない。

そんなことを
半ば希望を込めて
冗談めかしに話していると…

蝶たちが、だんだん近づいて来る。

あまりにも長い間、
目の前で舞続ける姿が
次第に神々しさを増してきて、
リビングの一同は言葉を失った。

通夜、告別式がつつがなく終わり、
わけあって義母のご遺骨は、
次女の嫁ぎ先である我が家に
安置することになった。

日中、
留守中の我が家に
荷物を取りに自宅へ戻った時のこと。

ふと、一番大きな窓の外を見ると、
すぐそにあるフェンスの上に、
義母の家で見たのと、
同じようなアゲハ蝶が、
羽根を休めているではないか…。

それも…二人。

こちらが気づくのを
まるで待っていたかのように。

窓を開けても蝶は逃げようとしない。
それどころか…
一人が飛び去ると、
残りの一人は、こちらを向いたまま、
丁寧に何度もおじきをした。

ここにアップした動画は、
その時、
実際に撮影した映像の一部だ。

しかも、テイク2。

ちゃんと挨拶に来たことを
お得意のビデオでしっかり撮って、
みんなに知らせておくれ
…と言わんばかりだった。

こういう、
できすぎた偶然
…奇跡の瞬間に
時折、出会うことがある。

ありがたいこと…であり、
いつでも先人に見られている
…という
緊張を感じる一瞬だった。

やっぱり…人生、日々更新。

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