でじたけ流 教育論「本能のやり場」
 

でじたけ流“教育論”
第991回「本能のやり場」

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暑い日が続く…
夏だから、当たり前の話だが、
子供の頃の夏と比べると、
何か人工的な、異常な暑さだ。

むろん、子供の頃とは、
感じる肌の質も、流れる汗の成分も、
かなり異なっているだろうが、
太陽が眩しいと言うより、
照り返しの厳しさに
熱いため息を吐いているのは、
今の子供も一緒だろう。

とにかく地面が熱い。

子供たちは、
学校や職場から戻ると、
グッタリとソファーに体を沈め…

昼間はずっと、
リビングの日陰のフローリングに
体を押しつけて、寝ていた猫たちは、
晩メシを食い終わると、
ようやく夕涼みに出かける
…という有様だ。

遅くに帰宅して一杯やっていても、
まだオモテからはセミの鳴き声がする。

それも、すごく近くから聞こえるので、
家の壁にでも
へばりついているのかと思ったら…
やがて、その鳴き声は断末魔の叫びとなった。

思わず勝手口から覗いて見ると…
案の定、そこには
さっき夕涼みに出かけた猫がいて、
得意そうな視線を送っている。

この季節になると、猫たちは
セミやらトカゲやらカマキリをくわえて、
まるで100点満点の答案用紙を
見せびらかすように戻ってくる。

床に糸くずでも落ちているのかと、
よくよく見ると、
トカゲの尻尾だということも、しばしば。

人に飼われ、食うことには困らない。
しかし、
失われることのない本能には、やり場が必要だ。

洗面所にカマキリがいる
…と叫ぶ、虫嫌いの長女は、
幼稚園でも子ども達に
カブト虫を押しつけられて逃げ回っているらしい。

そして、我が家では
猫たちの本能の後始末は
…決まって次男の仕事となる。

やっぱり…人生、日々更新。

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