でじたけ流 教育論「現役で生きぬく」
 
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20181007

でじたけ流 教育論948回 現役で生きぬく

でじたけ流教育論 digitake.com


樹木希林さんの亡くなり方について、
思いを巡らせた人はたくさんいただろう。

かねてより、
長生きすること=幸福だとは考えていなかった。

長生きすること=幸福…だと考えたら、
若くして亡くなった人たちは、
みんな不幸だったということになるから。

決してそうは思わないし、思いたくもない。

何年生きたか…ではなく、
生きているうちに何をしたか…で
幸福感は決まるものではないか。

最近、敬愛している作家がいる。
歴史小説で名を馳せた吉村昭さんだ。

学習院では三島由紀夫の2つ下の後輩にあたる。

先日、町屋にある吉村昭記念文学館に行って来た。

本を読むのが遅い自分は、
膨大にある吉村さんの本のうち、
たった2冊ほどしか読んではいないが、
遺された講演のCDが何枚か出ていて、
それは車の中で繰り返し聞いている。

その人の声を聞く
…というのは、実に親しみが沸く。

もう亡くなってから何年も経っているが、
今さら知り合った気分になっている。

吉村さんはガンで79歳で亡くなった。
自宅での療養を希望し、
最期は自らつながれた管を抜いて
絶命されたということを読んだ。

尊厳死という重い問題について、
とやかく言うつもりはさらさらないが、
命は計測器で測るものではないように思う。

人は必ず死ぬ。
これは間違いのない事実だ。

にもかかわらず、
永久に生き続けるが如く振る舞っているのは、
勘違いであり、驕りであり、怠慢だろう。

仕事には必ず締め切りがある。
締め切りを持たない仕事は完成を見ない。

死というものを意識しなければ、
生きている実感を得ることはできないし…
その意識に押しつぶされてしまっても、
命を全うすることはできない。

生涯現役
…は理想ではあるが、
なかなか
吉村昭さんや樹木希林さんのように
生きられるものではないだろう。

ただひとつ…
生涯現役でいなければならない仕事
…があるとしたら、それは親業だろう。

親業だけは卒業がない。

そこが人と他の動物の
一番の違いではないかと思う。

やっぱり…人生、日々更新。

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