でじたけ流 教育論「しょうがない?日本人」
 
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20180701

でじたけ流 教育論934回 しょうがない?日本人

でじたけ流教育論 digitake.com


少し前になるが、
イギリス人の父と
日本人の母を持つD君と
グラスを傾ける機会があった。

初対面だったが、
実に突っ込んだコミュニケーションが
とれたように思う。

何よりD君が
若き日のハン・ソロのような
容貌でありながら、
日本語が達者なこと。

そして…
「兄はお母さん似だから、
 日本語が上手でないとおかしいと思われる。
 ボクはお父さん似だから
 多少下手でも許してもらえる」
…とほくそ笑む
素直な語り口に好感が持てた。

こんな話が出た。

欧米では子供に対して、
しょうがない、とか
我慢、という言葉は、まず使わない。

なのに、日本では
しょうがないや我慢を子供によく使う。

これは日本だけしか知らないと、
よくわからないことだが…
確かに子供に
「しょうがないでしょ!」
「我慢しなさい!」
…と声を荒げる親の姿はよく見る。

しょうがない、も
我慢しなさい、も
したいことを諦めさせるための言葉だ。

それが何故なのか…ということについては
若きD君には、よくわからないようだったし、
その場ではすっかり酔いが回って、
まともな理屈を考える余裕もなかったが…。

思い返してみると、それは、
日本の封建主義に関係していると思った。

世間の不平不満を収めるために
士農工商という制度を徹底させ、
上見て暮らすな、下見て暮らせ…と
刷り込まれた長い時代のDNAを
現代の日本人は、まだ持っているのかもしれない。

会社の独身寮にいる長男が一時戻って来た。

ちょっとした行き違いがあって
例によって叱り飛ばすと
「しょうがない」と口にしたので、
火に油を注がれて、さらに激高してしまった。

少なくとも「しょうがない」という言葉は、
他人からかけられる言葉であって、
自らそれを口にするものではないというのが信条。

自分の行いに対して
「しょうがない」などと言う奴は、
たいてい仕事のできない奴であることは間違いない。

あきらめ…は癖である。

癖は環境によって作られる。
少なくとも我が家において
「しょうがない」はNGワードだ。

やっぱり…人生、日々更新。

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