20170806

第887回　家族討論会

珍しく家族が顔をそろえると、
誰かが何か話題をふってくる。

学校やバイト先での出来事。
困った友達の話。
たいてい子供たちからの発言だ。

それに対して
親兄弟が突っ込みを入れはじめると、
居酒屋のようなにぎわいになる。

ま、こういう場面で父親は、
いつも酒瓶を片手にしているので、
居酒屋のように感じるのかもしれないが。

長男は父親以上に
妹のボーイフレンドについてやかましい。

年頃の娘を持つ父親は
娘のボーイフレンドには神経質になる
…と思われがちだが、
実際、その身になってみると、
そうでもないのが不思議なくらいだ。

もちろん、
帰りが遅くなるような時には心配もするが、
それは女だから、で
ボーイフレンドがいるいないとは
別次元の物騒な世の中に対する気遣い。

長女は今、ボーイレンドのことより、
バイトやボランティアを通して見つけかけた、
自分のやりたいことを考えるので精一杯の様子。

彼氏ができたら、できただし、
できないなら、慌てることもない。

みんなが着ている流行の服を
似合いもしないのに着る必要はない。

そのことがわかっていれば大きな失敗もないだろう。

自分が好きなことをやっていれば、
本当に気の合う相手とは、そこで出逢えるはずだ。

…そう言うと、長女が飛んできて握手を求めた。

ついでに、こんな話もしてやった。

考えることは必要だが、
考えるためには、考えるための土台となる材料が大切だ。

小さな土台の上に、
いくら考えを積み重ねていったところで、
すぐに限界が来て、
ヘタをするとポキンと折れちゃう。

土台が広ければ、
その上に考えを積み重ねていっても、
やすやすとは倒れない。

ピラミッドみたいなものだ。

…この話にピンと来ていたのも実は長女。

ようするに一番よく似た感覚を持っているのだと、
あらためて思った。

こりゃあ、ボーイフレンドになる男は…大変だぞ。

やっぱり…人生、日々更新。

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