20170326

第868回「理不尽がえし」

久しぶりで、この春、高３になる次男の話。

日中、家に戻る用事があって、
用事を済ませて車で走り始めると、
正面から来た自転車の男が手を振っている。

よく見たら、次男だった。

いつも見てるけど、
こうしてオモテで見ると
普通の青年に見えて印象が違った。

高校も、もう最後の年だから、
いいかげん青年っぽくなってくれないと困るが。

今どきの青年の困ったところは、
四六時中、スマホから目を離さないこと。

「また、ゲームしてるのか？」
…と問いただすと
「ゲームじゃない、LINEだよ」
…とか答えが返ってくるが、
チマチマやってることに変わりはない。

ある晩、家に戻ると、
次男がテーブルについて晩飯を食っていた。
それもかなり背中をまるめて。

メシを食う時の姿勢は、とくに気になる。
健康に悪いだけでなく、
一緒に食べてる人にも、いい印象を与えない。

どんなに優秀な奴でも、
例えば左手をダランと下げたままでいたりして
メシを食う姿勢が悪いとバカに見える。

それを矯正するのは親しかいない。

次男が背中をまるめていた、
その視線の先にはスマホがあった。

ゲームじゃなくYouTubeだろうが、
そんな格好でメシを食うことは我が家では許されない。

頭をひっぱたかれた次男は…
「理不尽だ」
…と、つぶやいた。

すぐさまそんな言葉は、かき消してやる。

「良かれと思って、
　子供に金をかけて与えているスマホで、
　子供の態度が悪くなる
　…そういうのを理不尽って言うんだ」

これにはカミさんも賛成を唱え、
今度は叱られて身を縮める次男。

たまたまいた長男は次男に小声で
「早くしまわないと、取り上げられるぞ」
…と助言。

そして、飛び交う猫たち…。
そんな日常。

やっぱり…人生、日々更新。

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