20160214

第810回「大人教育」

岡本太郎いわく…

ボクは教育という言葉は嫌いなんです。
教えるということと、
育つということはまったく違う。

…つまり、
教えてしまうと育たない
…ということが言いたかったんだろうと思う。

何かと物騒な世の中になればなるほど、
また混乱を続ける世界情勢を見れば見るほど、
教育の重要性を感じずにはいられない。

岡本太郎式に解釈をするなら、
それは教育
…ではなく
価値観の育成
…ということかもしれない。

銃刀法違反という法律があるけれど、
何も銃や刀がなくなって、
果物ナイフだって人は殺せる。

窓ガラスを閉めただけで
家を守ることができる日本は
本当に平和だと思う。

かつて香港にいた親類の家を訪ねたら、
何重にも格子の扉があって、
まるで刑務所のようでビックリした。

生き物を殺してはいけない。
他人の家をこじ開けて入ってはいけない。
…というモラルは教育によって生まれる。

そういう価値観がなければ、
法律だけで共同生活を守ることはできないんだ。

そうした価値観は、
先人が示していかない限り
…明確に伝えることはできないだろう。

マニュアルだけあっても、
それを実践し、
笑顔を見せている者がいなければ、
誰も覚えようとはしないだろう。

教育が機能していない現場があるとすれば、
それは人生の先輩=大人が、
あまりに辛がったり、
つまんなそうだったり…してて。
また、それを
誰かや、
どこかの国のせいにしているんじゃなのか…？

未来を築く、
はつらつとした若者を育てたければ、
まず、
大人がはつらつと生きていないとな。

誰もつまらない大人になどなりたがらない。

やっぱり…人生、日々更新。

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