でじたけ流 教育論「想像力と勘違い 」
 
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20140831

でじたけ流 教育論734回「想像力と勘違い」

でじたけ流教育論 digitake.com


幼い頃、住んでいた都内、環状7号線沿いには、
丸い大きなガスタンクがあって、
その脇を通るのが楽しみでたまらなかった。

あれはまだ、幼稚園に入るかどうか…という年だと思う。

当時、熱中していたのは「鉄腕アトム」。
白黒アニメの頃の話だ。

アトムが歩く度、
プイッチョン、プイッチョン…という足音がして、
そういう音が鳴る赤い長靴が欲しかった。

そして、ガスタンク。

積み木のような四角い建物が並ぶ中、
異様な迫力を放つまん丸なガスタンクは、
すごく未来的に見え…それをアトムの家だと信じていた。

子供の想像力が豊かなのは、
知らないことが多いからに他ならない。

目の前にあるものは大人と同じものだが、
それが何だかわからないので、
自分を納得させるための答えを探す。

誰かに聞いて真実を知るのは常套手段だが、
つたない知識と経験の中で答えを見いだそうとすると、
想像力による半ば強引な結び付けが必要なのだ。

そうした結び付けは、いわば大きな勘違いでもある。

大人が子供のように、
つたない知識と経験の中で答えを見いだそうとすると、
たいてい勘違いに終わる。

想像力と勘違いの違いは何か…?

勘違いはゴールであり、
想像力はスタートである
…という点が根本的な違いだろう。

たとえ勘違いであっても、
大人の結論の導き方は、
自分が納得すれば終わり…。

子供の想像力は膨らんでいくもので、
やがてあの大きなガスタンクが
卵を割ったように天に向かって開き、
中からロケットが姿を現し、
発射の秒読みがはじまる…。
もちろんパイロットはアトムだ。

やがて、
絶対にそんなことは起こらないという現実を知り、
想像にストップがかかる時が来る。

しかし、そこで想像したことは、
やがてどこかで、
何か新しいものを作り出す時の下書きになるだろう。

そして…
続きを考えることが、
続いて生きていくための大きな糧になっていることは
間違いない。

勝手にゴールを決めつけること
…それ自体が勘違いの最たるもの、だな。

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