20131117

第693回

生まれ育った場所ほど、
リラックスできるところはない。

それも、そのはず…
何せ、物心さえつく以前、
何ひとつ考えなかった時から居た場所だから、ね。

初めで何かをした場所であり…
自分にとっては何もかも特別。

そして、周囲もそんな自分に対し、
特別扱いを許してくれた。

一番いいところ
…だから、一番きをつけなければならない。

自分が無防備でいられる場所に慣れ過ぎてしまうと、
すっかり抵抗力がなくなってしまう。

ようするに実家は温室。
温室育ち…が弱いのは当然だ。

うちでは、とにかく高校を出たら、
同時にうちも出ろ、と言ってきた。

大学なんて、どうでもいいから、
とにかくうちを出ろ、と。

学校で学ぶ、何よりも勉強になるから。

生きて生活するための勉強は、
或るタイミングで身につけないと、
あとでとんでもない歪みを生じてしまう。

少なくとも…
いくら聞いても理解できない大切なことを、
何も聞かずに感じることができるチャンスがあるはず。

いつまでも親元いたんじゃ、社会的常識は育たない。
特別なところにいるんだから無理もない。

自分の経験上も…
息子を独り暮らしさせてみても…
やっぱり正解だと思うよ。

さて、くたびれ果てたら
帰れる場所があるというのもいい。

実家でくたびれてしまったら…
いったい何処へ帰るんだ？

生まれ育った場所ほど、
リラックスできるところはない。

少なくとも、自分が親となり、
新しい実家を作り出すまでは、ね。

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