20101121
でじたけ流 教育論第537回

自分を捨てる練習。-でじたけ digitake.com


私が中学生の頃はなかったけれど、
最近、中学校では
地域の幼稚園や老人ホームに行って
実習をする福祉の課外授業があるそうだ。

現在、高2の長男も
中学の時に老人ホームに行って、
グループで各部屋をまわって、
加湿器の水を補充したりしたらしい。

感謝してくれる人もあれば、
うっとおしがる老人もいて、
それなりに現実を感じることはできたようだ。

間もなく中2の娘が、この福祉授業に出る。

娘は幼稚園を志望したらしいが、
行くことになったのは老人ホーム。

しかもその老人ホームには
カミさんのお父さん…つまりお爺ちゃんがいる。
すごい確率でそのホームに当たったとか。
…ということで楽しみでもあるが、
行き慣れているだけに、
はたして課外授業として何かを学べるのかどうか。

立場が変わると何が違うのか
…そんなことを学ぶ機会にはなるだろう。

たいていの仕事は
「自分」が先立つとうまくはいかない。

やたら「自分の考え」を主張したがるのは、
むしろ自分の立場を知らない未熟な発想。

そもそも仕事というものは、
他人のために何かをして、
その対価を得ることであるから、
一番邪魔になるのが、実は「自分」なのだ。

仕事を考える上で、
このことは繰り返し感じるので、
今までこのホームページにも
何度か同じようなことを書いてきた。

名優が役になりきるのと同じように、
プロほど自分をおさえる能力が高い。

しっかりと自分を保て…なんて言われることが、
結構わがままを育てている部分は否めない。

しょせん人は弱いから、
自分にとって楽な解釈を好む。

いくら捨てたって、自分は自分でしかないのだから、
捨てられるだけ捨ててみる方が、
より多くの
人生を生き抜くための勇気を学べるだろう…な。


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