20090802
でじたけ流 教育論

第470回

貧幸法整


「品行方正」…
行いや心がととのっていて正しいこと。
道徳的にきちんとしていて模範的であること。
…ではなく、今日のタイトルは「貧幸法整」。もちろん当て字。

「貧幸」というのは、実は脚本家の倉本聰さんの言葉だ。

「豊かさ」には「物」の豊かさと「心」の豊かさがある。
「物」が豊かでも「心」が豊かでないと幸せにはなれない。
逆に「物」に恵まれなくても
「心」の豊かさを持つことはできるわけで
…それを「貧幸」という言葉で表した、というわけ。

子供たちと接していると、この気持ちがわかる感じがする。

そもそも子供に金はない。
行動範囲も大人に比べれば狭いし、
できることは限られている。

でも…子供はいつも楽しそうだ。

大人は…というと、
そこそこ自分で自由になる金もあり、
行こうと思えばどこにだって行けるはずなのに
…いつも辛がっている。

いつぞや…
うちの子たちと妹の子たちを連れて、
大勢でディズニーシーに行ったことがあった。

おじさんとしては、
滅多にないこうした機会だから、
ちょっと奮発して大盤振る舞いをしたつもりだったが…
どのアトラクションも長蛇の列。
結局、子供たちは広い場所を見つけて
だるまさんが転んだ、なんかして楽しんでいた。
だったら近所の公園でいいじゃん、と思ったものだが、
金をつかわないと楽しめないと思い込んでいる、
その発想がそもそも、なまじ目にウロコを付けまくった
大人の貧困なところだ、ね。

「法整」は駄洒落半分に勝手に私がつけてみた。

「物」がない時代には、みんなが「貧幸」をめざした。
「物」にあふれた今の時代に、
もう一度そういう気持ちを取り戻すためには、
「貧幸」を優遇する「法整備」も必要だろう。

選挙も近いことだし…。
プラスのことばかり言う人じゃなく、
ちゃんとバランス感覚をもった
ダウンサイジングを考えている人に
一票入れたいと思う。
…いるのか? そんな人??


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