20080810
でじたけ流 教育論

第419回

楽しい残酷


連日の猛暑で
朝早くから夜遅くまで
セミの大合唱が耳を突く。

暑すぎるせいか・・・
ヒグラシの声はあまり聞こえないなぁ。

中3の長男は、
さすがに夏期講習とかに出てるけど・・・
小6の長女と小3の次男は
連日ドロドロになるまで遊びまくっている。

最も・・・
あまりの暑さにメゲて
涼しい部屋でゲームに興じることも
・・・少なくないようだけど。

次男が近所の公園でセミを捕まえてきた。
それを見た長女も
負けじとセミを捕ろうとする。

私もかつては同じようなことをしていたけど、
ようやく地上に上がってきて、
短い季節を精一杯生きているというのに・・・
小僧どもの遊びで捕まってしまうというのも
・・・何かすごく可愛そうな気がしちゃう。

子供たちに・・・
何のためにセミを捕るのか
・・・尋ねてみた。

よく観察するため
・・・と次男は答えた。

しかし・・・
観察するだけなら一匹でもいいはずだ。

子供がセミを捕まえようとするのは
・・・そこにセミを見つけたから、だろう。

必死で逃げるセミを
虫取りアミを駆使しながら追う。
捕らえれば、そこに達成感が生まれる。
・・・その繰り返し。

セミと競い、
そして友達と競う。

それが本能であり、楽しみだ。
セミにとっては命がけ、だけど、ね。

多くの楽しみは残酷さをともなっている。
とくに子供の楽しみは、ね。
勝つ者があれば負けて傷つく者もある。

負けて悔しいという思い・・・
その痛みを知らないと、
勝ちたいとは思えなくなるし、
負けても平気な意気地なしになってしまう。

遊びや・・・
時にはケンカをした中で
肌で知ったことが
本を読んで得た知識より
数倍人生を豊かにし、
人間力を高めることは疑う余地はない。

命の尊さを知るものは・・・
命のもろさや命を亡くした者のことを
・・・知っている者だと思う。

この夏・・・
子供たちは何匹のセミたちに
・・・そのことを教わったろう?



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