未確認飛行物体
れいぞうこだって
空を飛ばないとはかぎらない。
たくさんの食べ物が入ったれいぞうこが
だれもいない夜中に
キッチンからそっとまどへいき、
その大きなまどから空を飛ぶ。
ぐんぐん飛んでやっとついた。
まずしい国の家に
食べ物をみんなあげてかえってくる。
・・・小学5年の長女が学校で書いた詩。
子供の発想は実に奇抜だ。
何でも空を飛んでしまう。
自分が飛んでみたいと思っている証拠だろう。
そのうち大人びてくると・・・
飛べるわけがない
・・・というところから考えるようになる。
できたらいいな・・・から
できるわけない・・・へ
・・・なぜ変わっていってしまうんだろう。
長く生きていると
少しはいろんなことを知る。
しかし・・・
知っていることより、
知らないことの方がはるかに多いのに
・・・結論ばかり急いでしまう。
急いで出すことのできる結論は
・・・今の限界だけだ。
限界を早く決めてしまうことで
楽な気持ちになれるのと引き替えに
成長を止めてしまう。
可能性ばかり夢みているのが
正しい大人だとは思わないが・・・
可能性を捨てることばかり上手になっているのは
子供の頃、一番嫌っていた
・・・ズルい大人なんじゃないのか?
ほうっておいたら冷蔵庫の中味は、
すぐに空っぽになってしまうことを知った後で
・・・何ができるのかが、その人の力。
考えなくてもわかるような
できない理由を考えている暇などない、な。