第339回 |
人間関係の親しさの度合いは、
一緒に食事をした回数に比例する ・・・ように思う。 デートには食事がつきものだし、 仕事での会合も同じ。 接待費は削減されても 接待自体は決してなくならない。 つまり・・・ 食べるという本能を共有することで 親しみも増すわけだ。 そういう意味では 寝る・・・のも同じだね。 家族を親しく感じるのも、 つねに食べる、寝るという 本能を共有しているからだろう。 逆に言えば・・・ 食卓を共にできないでいると、 いかに身近にいる人同士でも 親しみが増す機会は少ないだろう。 一緒に何かを食べる・・・ということは、 共通の感動体験でもある。 同じものを食べ、 同じように美味しい ・・・と感じることができれば それは思い出となる。 また、 同じものを美味しい ・・・と感じられるということで 同じ指向性も確認できる。 他人同士の場合には、 ここで価値観が分かれると、 次の食事の機会は遠のくだろう。 親が子供にものを食べさせる時に 忘れてならないのは・・・ 単に肉体に栄養を与えるだけでなく、 この価値観を伝えることだろう。 少々大げさに言えば、 美味しいものを食べることで 生きる喜びを伝えるのだ。 そして・・・ 他人と一緒に食事をとる時の マナーも教えなければならない。 食事のマナーが悪かろうが、 腹が一杯にさえなればいい。 あるいは・・・ どんな鉛筆の持ち方をしていようが 文字が書ければいい。 ・・・というのでは、 寒くなければ裸で外を歩く ・・・のと何ら変わらない。 価値観やマナーは 金で買える上着とは違うから 子供の頃に肝に銘じることが大事。 共有、または共感できる本能を持つことが 人間性を保つことに つながるんじゃないかな・・・。 |