20021124
でじたけ流 教育論

第124回
ジメっ子たちのが騒ぐ


うちのカミさんは「虫」が大の苦手だ。

ゴキブリはもちろん嫌いだし・・・
トイレに蜘蛛でもいようものなら大騒ぎ。

そんな母親の様子を見ていると・・・
子供たちも知らず知らずのうちに
「虫」は怖いものだと思いがちになる。

夏休みには友達と一緒に
虫とり網を持って公演に遊びに行くものの
やっぱり、ゴキブリや蜘蛛となると家中、大騒ぎになる。

そんな我が家に・・・
隣のおじいちゃんが孫たちへと
旅先から土産をぶらさげてきた。

台所でその包みを開いたカミさんが思わず息を飲む。
・・・びっしり詰まったイナゴの佃煮だ。

眉をひそめる母親を見て不思議に思った子供たちが
土産の中身を覗き込んだとたん騒ぎだす。

「何だこれ、虫だー!」

母親に続いて青ざめたのは小3の長男。

何せ、うちでは食べ物の好き嫌いは
私が絶対に許さないから・・・
これも食べろと言うに決まっている。
そのことを察知して・・・ゾッとしている様子だ。

もちろん、私は言う。

「食べたこともないくせに騒ぐな。
 まず、食べてみれはいいだろう?
 昔の子供はこれをおやつ代わりに食べたってよ」

一週間以内にイナゴを食べられるようにすること。
これが子供たちに課せられた約束。

しかし・・・
眺めているだけで、なかなか手が出ない。
むしろ、ジックリと眺めれば眺めるほど
腰が引けてくる。

「もしも、いつか友達と一緒の時に
 イナゴの佃煮が出て・・・
 自分だけ食べられなかったら馬鹿にされるけど、
 今、食べられるようにしておけば
 そういう時に得意になれるぞ」

その言葉で長男がついに手を出したのは二晩目の夜。

目をつぶって食べてみれば・・・
「なんだ、甘くて美味しいし、エビと変わらない」

それにつられて年長の長女も食べ始める。
「甘い。おいしい」

3歳の次男は・・・
みんなが美味しいと言って食べているものは
最初から美味しいものだと思って抵抗なく食べる。

こうして、ついに
我が家でイナゴを食べられないのは
カミさんだけになった。

調子にのった子供たちが
「お母さんも食べなよ」と薦め出す。

あんまり、みんながしつこいから
「じゃあ足だけ・・・」と恐る恐る口へ運ぶ。

はたから見てると
足だけの方が、よっぽとゴ○ブ○なのにね。

ついに、長女は
幼稚園の弁当にまでイナゴを詰めてくれと言い出した。

クリスマスには・・・
スポンジケーキの上にレタスを乗せて
その間にイナゴを置いてイナゴケーキを作ると
はりきっている。
・・・それは、かなりリアルだと思うけど。

何にしても・・・
大人がヘタな先入観をあたえて
子供に苦手なものをつくるのはよくないな。

それが危険をともなうことなら話は別だが
食べ物の好き嫌いなどは
親が作ってる場合も多いんじゃないかな?!

「慣れ」を作っているのは・・・家庭だよ。


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