でじたけ流 教育論-贈言
 

でじたけ流“教育論”第1212回
贈言


長男が30歳になった

そこで
こんな言葉を贈った

30年生きてきて
30歳になった奴は
そこらじゅうにいるが…
30代を生きる自信をもって
30歳になった奴は
…おそらく1人もいない

…と

学生時代は
友達みんなが横並び
多少
背丈の大小はあっても
やってることも
できることも
さして変わりはない
同じ環境にいるからね

ところが学生時代を終え
30くらいになってくると
それぞれの立場に
かなりの違いが出てくる

給料が多い奴もいれば
少ない奴もいる
そろそろ結婚する奴もいれば
まだ彼女すらいない奴もいる

友達より
自分が劣っているところがあると
同じだという安心感があっただけに
イッキに不安が膨らんでくる

最後に笑えればいい
…なんて
ちょっと気どった言葉を
口にできるほど
自信をもってやっていることも
見つかってはいないだろう

それでも30という歳は
まだまだこれからであることに
間違いはない

生きていれば…何とかなる

歳をとると…
生きているだけでは
どうにもならなくなり
わずらわさしが増すばかりだが
幸いなことに
体力が衰えるので
アクセルとブレーキを
踏み間違えない限り
大きな失敗も
しようがないのが…現実

親父が敬愛する
阪急の創始者…
小林一三は30の頃
まだ駆け出しの銀行マンだった

銀行に入ったのも
友達に誘われてのことで
本人は小説家になるつもりだった

いい先輩に巡り会ったことで
実業家の道を歩み出し…

阪急電鉄…駅ビル店…建売住宅…
そしておそらく
本人にとっては楽しみであったろう
広告を書き…
日本ではじめて
車内の中吊り広告を出した

想像を膨らませて
原稿を埋めるつもりが
沿線の町を作ることになり
終点の宝塚には文化の花も咲かせた

世に出るには
世に必要とされるものを
生み出す力を持っていなければならない

大企業を生み出すことも
町内にある小さな公園の
花壇を手入れすることも
根本的には変わらないと思う

若い頃は何でもできると錯覚し
やがて痛い目を見ると
できるかできないかに悩むが
結局は…
やらせてもらえるか
もらえないか…

求めてばかりいるのは
独りよがりになりがち
求められる人になって
…ようやく一人前

あこがれの偉人が
自分と同じ歳に何をしてたかを
紐解くと…
案外たいしたことなくて
…勇気づけられたりする

やっぱり…人生、日々更新

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