でじたけ流 教育論-人生という旅先
 

でじたけ流“教育論”第1173回
人生という旅先


YMOを聴くと
高校時代の生徒会室を思い出す

学校内に自分たちの部屋がほしくて
生徒会長になって
生徒会室に
拾ってきた木製パレットを敷いて床上げし
これまた粗大ゴミから拾ってきた
コタツを持ち込んで
いつもタムロしていた

生徒会室は1階にあったので
朝…窓から入って来て
授業にも出ずにコタツで寝てて
放課後になると起き出して
行動をはじめる副会長がいた
奴は音楽好きで…
奴から聴かせてもらったのがYMOだった

生徒会はそのまま
自主映画づくりのスタッフで
奴は録音監督をしていた
今は結構有名な
アニメの録音監督になっている

平成生まれの子供たちはYMOを知らない
子供たちどころか
30代のうちの社員も
坂本龍一がピアニストであることは
何となく知っていたが…
YMOは知らなかった

高橋幸宏の訃報がニュースになった夜
YouTubeでYMOを見ながら呑んだ

わきで見ていた子供たちは
初めて聴いた…カッコいい…と興奮した

新しいもの…というのは
いつの時代の人間が接しても
…新しく感じる

今自分が未読だった
森鴎外や川端康成を読んでも
同じように新しさを感じる

時代に残るものは
…常に新しいもの
模倣は消えてゆく

懐かしさを感じる有名人が
次々に亡くなっていくのは
それだけ自分も
歳をとっているのだから
仕方のないこと

よく…
帰らぬ人となった
…という表現を聞くが
むしろ…
帰って行ったんだ
…と思う

同じ時代にいた
…というのは
同じ場所に旅をしていた
…ということで
旅を終えれば帰ってゆく

そこがどこかはわからないが
今いる場所
今ある肉体が
借り物であるような感じは
確かにある

借り物の中にいるが故に
自分のものを欲しがる傾向は強いが
それはしょせん
無いものねだりに過ぎない

そのことに気づいて
過去を悔やむでもなく
将来に期待するでもなく
今を楽しむことが一番

せっかくの旅先で
普段の仕事に悩んで
時間をつぶすことほど
馬鹿げた話もないだろう

やっぱり…人生、日々更新

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