うちには猫が二匹いる
2016年に
下田の友人からもらい受けた保護猫だ
最初は一匹のつもりだったが
双子だというので
二匹とも引き取った
どうせ二匹いるなら
名前は助蔵と瀧蔵にしようと思ったが
家族はトニーとチャールズと名付けた
正式名称は
トニー助蔵とチャールズ瀧蔵
…ということにした
拳ほどの大きさだった猫たちは
6年で6倍以上の大きさになり
今や6kgくらいはある
二匹いっぺんに抱えるのも厄介なほどだ
毎晩帰宅して呑みはじめると
ぴったりと脇に座って
こちらを見上げているのはチャールズ
前足を揃えて座っている姿は
すこぶる行儀がいいように見えて…
そこが日本人の猫好きなところ
…ではないかと思われる
しかしその行儀も長続きはしない
すぐさま伸び上がって…
おやつをくれ
…と肩を叩いてくる
椅子に座っている人の肩まで
容易に前足が届くということで
その大きさは推察できるだろう
毎度…
さっきエサを食べたばかり
…とカミさんに叱られているが
それでも
ほとぼりが冷めた頃
また伸び上がっくる
どうにもやかましいので
おやつをやる…
この習慣によって
この人はしつこく肩を叩くと
必ずおやつをくれる人
…と認識されている
猫を猫可愛がりすることに
何ら抵抗はないが
時々便秘になって
動物病院に連れて行くカミさんは
いつも…やれやれという顔をする
おやつをやる時には
必ず二匹がそろっていることを
基本的なルールとしている
そうでないと…不公平だから
トニーは一匹でいる時にはやはり
おやつをくれと言ってくる
滅多に伸び上がっては来ないが
ひたすら鳴き声で訴えてくる
チャールズが伸び上がっては
叱られている時には
遠くで眺めているだけだが…
おやつが出ることを知るや
スタスタとやってくる
…実に要領のいい奴だ
人間の場合…
要領のいい奴というのは
たいていズルい奴だが…
その人間のように見える猫は
かえって可愛らしく見えたりする
人間とは違う…という前提が
そんなことを感じさせるのだろう
同じだ…と思っていて
違うことをされると嫌悪感を覚えるが
最初から違う…と割り切っていれば
そう腹も立たないものかもしれない
同じ日本語を話しているのに
話の通じない人間が多い中…
まったく言葉の通じない猫の方が
言ってることはわかることも多い
わからないという前提が
わかろうとしているわけで
わかるはずだと思い込んでいるものは
かえってわからなくなる
やっぱり…人生、日々更新