でじたけ流 教育論-去ってゆく世界
 

でじたけ流“教育論”第1141回
去ってゆく世界


ハワイ在住の妹が
大学を卒業した息子を連れ
3年ぶりに里帰りしてきた

実家は我が家の隣にある
しばらく賑やかになった

休日には弟家族も交えて
久しぶりで食事会をした

今や一族の集いは
我が家でやることが
当たり前になっている

父の実家がある静岡まで
新幹線に乗って行ったのも
もう遠い昔となった

懐かしい静岡の家には
もう誰も住んでいない

そこにはかつて
おじいちゃんとおばあちゃん
おじさんとおばさん
そしてその長女と長男がいたが
今は長男だけが東京で暮らしている

幼い頃
家族は世界そのもので
ずっとこのまま
時間が流れていくものだと思っていた

ところが幼稚園くらいになって
友達の家に遊びに行くようになると
また別の家族の存在を知る

やがて知識として
地球の裏側にも
家族があることを知るようになる

若い頃はこうして
世界がどんどん広がっていく

それは本人が
勝手に感じていることであって
実際の世界は広がってはいない

最初からそこにある…だけ

そして
あったものが
なくなっていくだけ…なのだ

広がっていく感覚の時には
それが
続いていくような錯覚にいるが

今日が昨日に
明日が今日になるように

新しいものは同時に
過去をつくり出していく

3年ぶりに
妹の実家の記憶は更新された

新しい現実に出会うことは
時として残酷なことではあるが
新しい課題に向き合えることは
新しい自分をつくるための
…大きなきっかけをくれる

やっぱり…人生、日々更新

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