でじたけ流 教育論-夢と現実と今
 

でじたけ流“教育論”第1112回
夢と現実と今


夢と現実の狭間に悩む
若者と対話する機会があった

一方…
自分と同じ歳で
来年は定年を迎えるという人と
話す時間もあった

今の自分を照らし合わせながら
何故…今
自分がこうしているのかを
改めて整理する機会となった

端から見ると自分は
趣味と仕事を両立して
好きに生きているように見えるらしい

確かに…
売れもしない本を作ったり
頼まれてもいない動画を
本格的な機材を使って
作ったりしているから
羨ましがられることも少なくはない

もちろん
ある程度の資金力がないと
できないことではある

ただ誤解してほしくないのは
貯金があってやっていることではない

やりたいことがあったから
工夫して資金を作ったんだ

この発想は
実は子供の頃から変わらない

高校時代に生徒会長をやったのは
自分が所属してた
漫画研究部と
映画研究部の部費ほしさから

高校の文化祭では
やる気のないクラスは
たいてい喫茶店をやる

冷房もない教室の窓に
段ボールを貼り巡らせて
1本50円くらいだったコーラを
3杯に注ぎ分けて
1杯100円で売っていた
…当然儲かる

儲けた金は
生徒会が集めて
赤字が多かった企画に再分配する

もっとも赤字がかさんでいたのは
クラスで8ミリ映画を作っていたところ

フィルムの時代には
スマホのようにきれいには写せないから
撮り直しが多く赤字が出る

そこで生徒会は
8ミリ映画を作った団体には
一律100%の補てんを行った

もっとも喜んだのは映画研究部

その時
自分が作った映画は
周囲とは桁違いの30万かけてたから

いくら補てんとは言わず
100%補てんと言ったところが
我ながらズル賢かったと思う

でも他のみんな大喜びだったよ

若い頃は…
趣味を仕事にしたい
…と漠然に思ってはいた

しかし
実際にはそんなことはあり得ない
…ということを歳を重ねるうちに思い知った

趣味はあくまでも自分のためのもの
一方
仕事は他人のためにすること
自分を捨ててかからないと
まともな仕事はできやしない

それは
親という仕事についてからも思い知る

自分を捨ててかかった結果
自分にしかできないことを
世間に認めてもらえれば幸せだと思うが…

たいていは自分が邪魔をして
その境地にいくまでの間に
諦めてしまうの大方のパターンだろう

よく言われることとして…
一番好きなことは仕事にしてはいけない
二番目にくらいに好きなことを仕事にした方がいい
…という考えがある

いきなり境地を見いだせればいいけれど
一番好きなことを
他人のためにもっていかれたら
自分の置き場がなくなってしまうからね

今自分が
やりたいことを何とかできているとすれば
「趣味」めいたことをやれるだけの
「仕事」があるからに違いない

チャップリンが「ライムライト」で言った有セリフ

「人生に必要なのは
 勇気と行動力と…お金が少し」

現実をこなせないと
夢を叶えることはできない

夢と現実
…という言い方をよくするけれど
現実に挑戦するのか夢だからね
決して相反することじゃない

そこを引き離して
別々に考えようとすると
夢は叶わないんだと思う

今や自分には「助蔵物語」はじめ
いくつかの作品を形にできたことで
確実に果たせた夢もある

少しだけ自慢できるとすれば…
金さえあれば「助蔵物語」ができたか
…といえば
たとえ1億あってもできなかったろう

高校時代に映画を作った時と同様
作りたいものがハッキリにあったから
金をつくる面倒な工夫も克服できたんだ

ライスワークとライフワークを
同時に進めながら
何かまともなものを作ろうとすれば
5年いや10年はかかる

そして
今の自分の年齢を考えると
あと何作作り上げることができるのか
ヒシヒシと焦りを感じるのも…現実

やっぱり…人生、日々更新

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