でじたけ流 教育論「満月と娘と理想の組織」
 

でじたけ流“教育論”第1019回
「満月と娘と理想の組織」


満月の夜。

娘が…
満月に向かって、
カラの財布を掲げると臨時収入がある
…と、何かのまじないを豪語していた。

鼻で笑って聞いていると…
だって、本当にあったんだ
…と、丸い目を向ける。

聞けば…
年末調整で税金が返ってきた
…だって。

社会人1年生の娘にしてみれば、
初めての経験だから
臨時収入に思えただろうが
…当たり前だって!

春になれば昇給の季節。

はたして娘は、
どれくらい昇給できそうか尋ねてみると
…意外な答えが返ってきた。

昇給なし。

新卒を採ったことがないという
カリスマ園長の幼稚園に
特別に入れてもらったから…なのか?

いや、その質問に、
さらに驚きの答えが返ってきた。

なんと、新人からベテラン保育士まで、
全員が一律の給与だという。

それでも、そこで働きたい人たちが
集っている職場…というわけだ。

もっとも、料理や歌など、
保育以外に特技を持つ人は、
園で教室を開いて、
それこそ臨時収入へつながる道は
確保されているらしい。

娘は絵が得意なので、
じゃあ、そのうちお絵かき教室でも
…と言うと、
もっと、上手い人がいるからなぁ
…と自信なさげだった。

働くということは
自分の時間や能力をつかって、
誰かの役に立つこと…これが基本。

もちろん生活するために
金銭は必要たが、
金銭で喜びを買うのではなく、
人の役に立つこと
…そのものを喜びにつなげられないと
人生のほとんどは、
つまらないものになってしまうだろう。

長く居座ることだけで、
自然に賃金が上がっていく
…というビジネスモデルは、
負の遺産を膨らませるばかり。

そう考えると、
メンバー全員一律賃金は
組織のあり方として、ある意味、理想的だ。

もちろん、
それで人を集めることができれば
…だが。

経営者の立場から見ても、
給料計算が簡単そうで実にうらやましい。

やっぱり…人生、日々更新。

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