でじたけ流 教育論「タイムカードのない暮らし」
 

でじたけ流“教育論”
第1004回「タイムカードのない暮らし」


平日の夕刻…
バタバタした1日が終わり、
家路を急ぐ社員が
一人、また一人と
タイムカードを鳴らしていくと…

ようやく、
自分の仕事の時間がはじまる。

中小零細企業の経営者には、
残業手当もなければ、失業保険もない。

あるのは、責任と…
責任の上で謳歌する
…新しい仕事だけだ。

そして、命ぜられる事がない分
…仕事と趣味の境もない。

社長の仕事って何?
…と子供に尋ねられれば、
仕事を作るのが社長の仕事
…と答え続けてきた。

それを…
楽しいこと
…と思えない限り、
こんな生活は
続けることはできないだろう。

さて…
キリのない仕事にキリをつけるのは、
帰宅してくる
子供たちからのLINEであることが多い。

子供たちが幼い頃は、
みんな家にいることが当たり前だったので、
かえって遅くまで仕事をすることも多かった。

今は、上の2人は就職し、末っ子は大学生。
親より帰りが遅いことも間々ある。

何時に最寄り駅に着くのかを
知らせることはわが家のルールで、
そのルールが守られる時は、たいてい
迎えに来てほしい時である。

その「お迎えコール」で、こちらも、
ようやく
仕事を切り上げよう…という気になる。

もし、家族を持たないでいたら、
きっと仕事場に住み込んでいたのではないか
…と時折思うほど、仕事は嫌いではない。

これは悪い性癖かもしれないが、
仕事をしていないと、かえって落ち着かない。

仕事…といっても、
決して儲かることばかりではない。

何かをしていないと落ち着かない
…というのは、
子供の頃からの、いわば癖だ。

そういう意味では天職かもしれない
…し、ほかにできることもないのだろう。

今は「仕事」という言い訳がある分、
子供の頃と比べて
生き易くなっているかもしれない。

とはいえ、そこそこ、
いい年にもなってきてはいるし、
身の程を知らないと身体を壊しかねない。

アクセルを踏むことばかりしている自分に
家族はブレーキをかけてくれる。

身の程…といえば、
先日、文部大臣が「身の丈で」と
発言したことが問題になっている。

要職に就いた人が、
あいかわらずの軽口をたたいて
バッシングに遭うのを
面白おかしく取り上げている、
そんなニュースをよく目にするが、
あまりいい気分ではない。

そもそも教育問題においては…
いい大学を出ないと
立派な人間になれない
…という幻想にとらわれていることが
大きな間違いではないかと思う。

それが正しいのなら、
自分など絶対に
立派な人になどなれないし…。

最寄り駅で子供をピックアップして
家にだどり着くまでの間、
そんな話をしたりする。

そういう時間を過ごすことが、
また自分を育てているのだと感じる。

やっぱり…人生、日々更新。

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